文字と形:安野光雅さんのこと等
2011.07.27
22:21:37
文芸班のヨーゼフ・KYOです。
先日1才の娘が数字やひらがなの本を見入っているのを遊びに来ていた私の母が見て、私自身も幼い頃紙に覚えたばかりの文字を紙に書いたり、体でその字の形を真似ようとしていたという話しが出ました。
子供の頃のことを思い出すと、にとっては文字を記号として捉えるより、絵の一つとして捉えて文字を覚えていったような気がします。
カリキュラだと例のひらがなが変形するアニメが強く印象に残り、発泡スチロールで作ったと思われる大きな黄色い文字もよく覚えています。(DVDから例を挙げると、常田富士男さんの格闘家が「わ」の字と闘っていたり、藤村俊二さんの座頭市が「4」の前で居合を演じていたり等)
セサミストリートでも大きなブロックでみんなで文字を組み立てたり、大きな電飾看板のための文字をクレーンで吊り上げるのを撮ったフィルムがありましたが、そこを狙ったのでしょうね。
文字と形で思い出すのは、ロングセラーの安野光雅さんの「あいうえおの本」。初版は76年なので、テレビではちょうどカリキュラを放送していた頃です。左側の頁に木のブロックで出来たひらがなが描かれ、右側の頁にはその文字で始まるものが描かれます。周りの枠のペン画の唐草模様の中にもその文字で始まる植物や動物が隠れています。
その絵の中に、「ふしぎな絵」で試みられただまし絵の趣向があったり、よく見ないと気づかないものも隠されています。「み」の頁では神輿が描かれていたのですが、本体部分にみかんが描かれているのを発見した時の喜びをいまだに覚えています。(これからこの本を見ようとしている人、ネタバレゴメン)
姉妹本「ABCの本」同様数々の絵本の賞を受賞していたと思いました。
その安野さんとは一度簡単に話したことがあります。十年近く前になりますが、横浜のデパートでサイン会があり、旅先の帰り道に聞き付けて、重いリュックを背負い駆け付けました。
サイン会はわりと余裕があり、当の安野さんと簡単な会話を交わせる程でした。前に並んでいた美術部と思われる女学生達が「旅の絵本のこの絵が好きです」と話しかけているのを聞き、私は「幼い頃より大好きで愛読しております」と話しかけました。
旅の帰りの不精ヒゲで当時三十才過ぎのおじさんにこんなことを言われ「あら、そうですか」と少し驚かれていた様子でした。考えてみれば前の「あいうえおの本」にしろ「旅の絵本」にしろ三十年以上も前の出版、それらを見て育った子供達だって成長しているのです。
安野さんの絵本の思い出話はまた回を改めて書きます。
「カリキュラマシーンのギャグ世界」
★よ:よびだし、よこづな、よりき
大きな門の前。相撲の呼び出し(藤村俊二さん)が「よ」の形の鍵で門を開ける。門の中から横綱や与力等が登場する。
★「も」と消防士
燃えている家。消防士(藤村俊二さん)が中に入り木馬やももしき等「も」で始まるものを運び出す。燃える家の中に入るがしばらく出てこない。
墓石のカット。墓の十字架が「も」の形になっている。
★路上の「らりるれろ」
フィルム。長い道路の上。フィルムパートによく出てくる小太りのくちひげのおじさん(この人は誰でしょうか?)が作業着で立っている。
おじさん「ら行、らりるれろ!」
フィルムのコマ落としのチャカチャカした動きで、道路のセンターラインの代わりに白ペンキで「らりるれろ」と書く。
同じくコマ落としで自動車が登場。ら行のラインに戸惑ったらしく、途中からよろよろと蛇行してそのまま画面から消える。急ブレーキとでっかい衝突音。(衝突音に合わせて画面も揺れていたような気もします)
ヨーゼフ・KYO
先日1才の娘が数字やひらがなの本を見入っているのを遊びに来ていた私の母が見て、私自身も幼い頃紙に覚えたばかりの文字を紙に書いたり、体でその字の形を真似ようとしていたという話しが出ました。
子供の頃のことを思い出すと、にとっては文字を記号として捉えるより、絵の一つとして捉えて文字を覚えていったような気がします。
カリキュラだと例のひらがなが変形するアニメが強く印象に残り、発泡スチロールで作ったと思われる大きな黄色い文字もよく覚えています。(DVDから例を挙げると、常田富士男さんの格闘家が「わ」の字と闘っていたり、藤村俊二さんの座頭市が「4」の前で居合を演じていたり等)
セサミストリートでも大きなブロックでみんなで文字を組み立てたり、大きな電飾看板のための文字をクレーンで吊り上げるのを撮ったフィルムがありましたが、そこを狙ったのでしょうね。
文字と形で思い出すのは、ロングセラーの安野光雅さんの「あいうえおの本」。初版は76年なので、テレビではちょうどカリキュラを放送していた頃です。左側の頁に木のブロックで出来たひらがなが描かれ、右側の頁にはその文字で始まるものが描かれます。周りの枠のペン画の唐草模様の中にもその文字で始まる植物や動物が隠れています。
その絵の中に、「ふしぎな絵」で試みられただまし絵の趣向があったり、よく見ないと気づかないものも隠されています。「み」の頁では神輿が描かれていたのですが、本体部分にみかんが描かれているのを発見した時の喜びをいまだに覚えています。(これからこの本を見ようとしている人、ネタバレゴメン)
姉妹本「ABCの本」同様数々の絵本の賞を受賞していたと思いました。
その安野さんとは一度簡単に話したことがあります。十年近く前になりますが、横浜のデパートでサイン会があり、旅先の帰り道に聞き付けて、重いリュックを背負い駆け付けました。
サイン会はわりと余裕があり、当の安野さんと簡単な会話を交わせる程でした。前に並んでいた美術部と思われる女学生達が「旅の絵本のこの絵が好きです」と話しかけているのを聞き、私は「幼い頃より大好きで愛読しております」と話しかけました。
旅の帰りの不精ヒゲで当時三十才過ぎのおじさんにこんなことを言われ「あら、そうですか」と少し驚かれていた様子でした。考えてみれば前の「あいうえおの本」にしろ「旅の絵本」にしろ三十年以上も前の出版、それらを見て育った子供達だって成長しているのです。
安野さんの絵本の思い出話はまた回を改めて書きます。
「カリキュラマシーンのギャグ世界」
★よ:よびだし、よこづな、よりき
大きな門の前。相撲の呼び出し(藤村俊二さん)が「よ」の形の鍵で門を開ける。門の中から横綱や与力等が登場する。
★「も」と消防士
燃えている家。消防士(藤村俊二さん)が中に入り木馬やももしき等「も」で始まるものを運び出す。燃える家の中に入るがしばらく出てこない。
墓石のカット。墓の十字架が「も」の形になっている。
★路上の「らりるれろ」
フィルム。長い道路の上。フィルムパートによく出てくる小太りのくちひげのおじさん(この人は誰でしょうか?)が作業着で立っている。
おじさん「ら行、らりるれろ!」
フィルムのコマ落としのチャカチャカした動きで、道路のセンターラインの代わりに白ペンキで「らりるれろ」と書く。
同じくコマ落としで自動車が登場。ら行のラインに戸惑ったらしく、途中からよろよろと蛇行してそのまま画面から消える。急ブレーキとでっかい衝突音。(衝突音に合わせて画面も揺れていたような気もします)
ヨーゼフ・KYO